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番外編 少し前の事

当店、2スト・4ストのボルテックスチューンやカスタム製作ばかりやっていると思われいるかもしれませんが、実は外車・・・特にイタリア系スポーツ車の販売・メンテなど扱う事が意外に多いのです。

これもそんな一台(写真は作業終了時のもの)。
IMG_0090.jpg

BIMOTA DB4 R3(REDBROのコンプリートカスタム)No,23/35

デッドストックの新車。走行3km 通関証明付き 排気系欠品 という車両。
不動の状態で回り回って入荷してきたというものです。
いくら年数が経っているとはいえバロンさんが自前で作った物なので販売すればいいと思うのですが、なぜ放出されたのか?

その理由(推測ですが)は後ほど明らかになるのです。

外見は多少の汚れや腐食、保管時にできた傷はありましたが概ねきれいに保存されています。
18年前の物と考えれば極上と言えます。

これは良いものを入手できたとこの時は思ったのです。
しかし・・・確認の為、バッテリーを交換してキーをON・・・なにも反応がない。
???
一応新車でしょ?まさか電装系壊れてる?製造時に配線ミスでもしてるのか?
いろいろな事が頭に浮かびます。

なんにしても配線図がない。
SS900ieの配線図は持っていたので実車をバラシて比べてみるもなんか少し違う。

これは時間が掛かりそうな・・・ドツボにハマる気配がプンプンです。
メインスイッチ(キーシリンダー)から順にパーツ・配線の確認をしていきますがなかなか問題が見つからない。訳わからない???

そうこれが”放出”理由です(繰り返しますが推測です)。
たぶん部品取りにでもしてもらおうという事での放出だったと思うのですが、私はそんな安易かつ勿体ない事はしません。必ず復活させます。
精魂込めて造った方々の気持ちを無駄にさせない為に・・・

かくして先の見えない修理に臨んでいくのでした。
とは言っても電気系なので時間を掛ければ必ず治るものです。
割と早く怪しいリレー2個(同じ製品)にたどり着きます。
しかし単体で通電・導通をチェックしても異常がない。
同じ物なので入れ替えて症状が逆転したら壊れているのが分かるので一応入れ替えてみますが変化なし・・・この辺りなのは間違いないのですが・・・

ここでもっと単純な事なのでは?新車だし見た目上はきれいで問題さそうな・・・端子の接点不良ではないかと思ったのです。
そうこれはイタリア車なのです。接点不良になるのは当たり前のバイクなのでした。
そこでリレー回りで替えられる端子を交換する事にしました。
ほんと端子の見た目は新車のまま通電焼けもないのですが・・・

これでダメなら頭を抱えるところですが・・・点きましたニュートラルランプ。
電源が入りました。
終ってみればこんな簡単なところか・・・と思うのが電装系トラブル。
時間と費用が予想以上になってしまう事が多い所以です。


これで次のステップ、始動ですが、まずセルが動く事を確認。
これは難なくクリア。元気に動いてくれます。
次はもうキーONで直ぐに気づいましたが燃料ポンプ。まったく動きません。
これはもう予想の範囲内です。完全に固着しています。
IMG_6988.JPG
内部まで燃料がキャラメル状で使用不可でした。
これは代替部品を持っていたので交換して終了。
タンク内も洗浄しておきます。樹脂タンクで開口部が割と大きかったので楽に落とせました。

これでインジェクターの詰りがなければ始動するはず。
詰まっていても手持ちのSS900のインジェクターに替えるだけなのですが・・・

欠品していた排気系を付けて、
かくして無事に始動を確認する事ができました。
動画はこちら
https://youtu.be/WWDzJna8-TY

新車は新車、デスモ&乾クラ特有のメカノイズも澄んでいます。

やっぱりバイクはたまに動かさないとダメですね。
このDB4、興味のある方はご一報ください。
zzzxxxccc@yc4.so-net.ne.jp















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NS400R 2号機 その5

今回はボルテックスチューンの施工・・・の前に気になった箇所を加工です。

それがここ
IMG_6981.JPG
ちょっと分かりづらいですが、インテークからクランケースへ続く経路。
ピストンリードなのでメインはピストン部から混合気は流入するのですが、ここはクランク室が負圧の時は直接クランク室に流れ、加圧の時は燃焼室は流れる掃気ポートになる重要な部分。

しかし、写真のように雑に削ってあるのがノーマルです。
大量生産時に時間的コスト的にきれいに仕上げる筈もないのですが、このように角(ナックル部)があるとどうしても空気の流れに影ができて多少ですが効率が落ちます。
ここは混合気が行き来する重要部分なのでやはり整える事にします。


リューターで削っていき
IMG_6982.JPG

スムーズになるように形を整えていきます。
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指で触って角になっている部分がないか確認して終了。
指が空気になった感じでスムーズに流れるか感じる事が重要・・・なんてね。

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NS400R 2号機 その4

随分時間があいてしまいましたが久しぶりのNS400Rです。
ようやく書き込める位の写真が溜まりましたので・・・

腰上を分解して洗浄・・・ですが流石に30年そのままだったのでガスケットがこびりついて剥がすのも一苦労です。ヘッドG/KもベースG/Kも頑固に固着していて、結局は地道にそぎ落とすしか方法がありません。
これが12面・・・単調な割に気を遣うこの作業・・・なんか苦手なんですよね。
当然剥がした後、面を均してもうっすら残るG/K模様が消える事はありませんがここは性能には関係ないので漏れが起こらないように組めればOKです。

ピストンは洗油で洗いあらかたカーボンを落として、お肌に悪い別の液に数日漬けこみきれいにします。
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線キズが全くない非常に良い状態。長年の放置でなにやら模様が出来ていますがこれはWPCできれいになくなります。

シリンダーも洗油で念入りにカーボンを落として洗浄します。
IMG_6972.JPG
こちらもピストンが長年そのままの位置だったので跡が付いていますがこちらもWPCできれいになります。

ヘッドもカーボンを落としてきれいに。燃焼室は新品同様、デトネ痕もありません。
IMG_6979.JPG

これでピストンとシリンダーをWPCへ発送。
ピストンピンは2スト用はWPCをしない主義(ニードルベアリングを使っているのでフリクションは少ないし消耗品なので意味がないと思っている)なのでそのまま使用します。

今回ピストンリングは・・・使えたら良かったのですがサビが出ておりちょっと落として確認したのですが喰っていて使えそうもない。
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純正新品は廃番・・・
しかし、今は便利な時代。探せばあります。
今回はDMRさんで出しているリケン製のリングを購入。
IMG_6978.JPG
言わずと知れたトップメーカの製品ですので品質は確か。
摺動部にはメッキが掛かっているようですのでそのまま使用します。

そして1週間後、WPCの施工が終わり部品が戻ってきました。
まずピストンは
IMG_6977.JPG
いいですね!新品の施工ピストンと同様です。

シリンダーも
IMG_6976.JPG
いいですね!ちょっと見づらいですがツルツルです。

次回はボルテックスチューンの施工ですが・・・・。










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