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NZ250 その5

今回は前から進めていたエンジンです。

エンジンの腰上を分解・確認をする事にしたのですが、なぜしようと思ったかというと走行2,000㎞だったからです。
単純に新車時から30年、短く見積もっても20年は動かしていないと思われたからです。
長く静止したままだとシリンダーの1か所をピストンリングの反発力で押し続け凹みを作る事があります。

で、まずヘッドを開けてみましたが、まぁキレイです。スラッジらしきものもスレもありません。
この辺は2,000㎞のエンジンだなぁ-と思います。
IMG_5570.JPG

ヘッドを外して、次はシリンダーを外すのですがその前にオイル(少し薄めたもの)を入れておきます。
IMG_5572.JPG
このまま一日おいておきます。

油分が完全に切れている為ですが、万が一サビ等で張り付いていた場合に無理に外すとシリンダーにキズが入る事もあります。ここは慎重に外します。

外したシリンダーですが、案の定ピストンリングの跡が着いていました。
しかし凹んでいるほどではなく使用はできそうです。
ただ、このままという訳にはいかないのでオーナーにWPC等の施工を相談、快諾して頂いたので他のパーツも合わせて施工しました。

ピストン・バルブなどのカーボンを剥がし洗浄して発送。
できてきたパーツがこちらです。
IMG_5584.JPG
シリンダーですが、ピントがずれていますがキレイになってるのが分かると思います。

IMG_5588.JPG
ピストンも新品の様です。しかし1986年式にしてはピストンが薄い。
写真では解りずらいですが当時の油冷GSX-R系よりあきらかにスカート部が短い(BxH対比で)。
スリッパー型ほどではないですが割と最近のピストンのような形状です。

さすがはスズキです。真剣に高回転型を造っています。

他のパーツも
IMG_5589.JPG

IMG_5586.JPG

IMG_5587.JPG

これで摺動抵抗の低減と長寿命化が図れました。

あとは通常の手順です。
バルブの擦り合わせ(というか叩き合わせといった方が正解な気がする)して組込。
ベースガスケットは廃番なのでガスケットシートを使って制作しておきます。
ピストン・シリンダーを取付てヘッドを載せてカムを付けます。
このエンジンはバルブ直押しなのでバルブクリアランスを計測したらカムを外してシムを入れ替えて調整し再度カムを組みます。
バルブクリアランスを計測して・・・もう一度カムを外して今度はカップを入れ替えて(公差の範囲内なのですが)再度クリアランス計測します。
IN側0.9と0.8 EXT側1.5と1.6 
IMG_5591.JPG

カバーを付けて完成です。
IMG_5592.JPG



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